中高一貫教育の最大のメリットは6年後を見据えた統合カリキュラムにより継続的、効率的に学習できる点にあります。
大学入試改革の基本となる新学力観では、これまでの知識・技能の習得はそのままに、加えて、多様な能力や人間としての成長が求められています。
通常、中学校の目標は高校入試ですから、高校入学後に3年間でこういった力を身に付けるには大きな負担がかかります。
本校の総合カリキュラムは6年間の計画的学習の中で、新しい大学入試や次世代に必要とされる力を着実に身に付けるように作られています。
【ポイント】
●一人ひとりの可能性を広げる
●ハイレベルな実力を培う
●希望する進路実現に伴走
継続した指導による学力の伸びが実績に表れています。(令和6年度 中学3年生・14期生)
全員が実用英語技能検定を受験し中学校課程での準2級取得を目標にしています。中学生でも準1級を取得する生徒も出ています。
高校受験がないため、6年後の大学受験を見据えた緻密なカリキュラムを構築し、効率よく授業を進めています。すべての教科で、「オリジナルテキスト」を作成・活用したハイクオリティの授業。そして、生徒一人ひとりの習熟度に合わせた課題や補講体制など、すべての生徒にアプローチできる指導体制を整えています。
小学校4年生から放課後や休日には学習塾に通う首都圏と異なり、成蹊中に入学する生徒のほとんどは普通の小学校で学び、放課後や休日は友人と遊んだり家族と過ごしたり、のびのびと生活してきた子どもたちです。しかし、そんな子どもたちが中学校・高校の6年間で、入学時には想像しなかったような自己実現を果たします。中学から高校にかけての期間は青年期の前半にあたり、人間が身体的、心理的、社会的に大きく成長する時期です。
本校では発達過程に合わせて6年間を3つの段階に分けています。中学1・2年の前期教育期間で価値観や生活習慣をしっかりと身に付けることで人間としての「土台」を作り、そこから中期、後期教育期間と経験値を高めていくことで、受験や社会に出てからの困難に立ち向かうことのできる精神力、生活力を養います。
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基礎と知的教養を得る学び
中学校においては単語や文法、構成などの基礎を徹底するために、語源や文法の成り立ちに至るまで、誤魔化さずに教えています。高校生になるまでにはすべての文法事項は修了しており、大学入試問題の対策をおこなう中で、文化的背景を深く掘り下げながら知的教養を身につけられるよう、工夫して教材を選んでいます。
数学にふれる時間を楽しむ
基礎固めにかける時間と、考えて解く演習の時間を設けることを大切にしています。生徒の持つ疑問に答えること、様々なアプローチを提示することをベースに、大学入試に向けた授業と演習を充実させています。
国語力を高め教養を深める
文章を正確に読み取る読解力と、それを正しく伝えることができる表現力を身につけさせたいと考えています。また、古典を学ぶことによって自国の歴史や文化に興味をもってもらうことと、教養を身につけることによって人として成長してほしいと考えています。
知識をつなげ世界を広げる
歴史でも地理でも公民でも、暗記した基礎知識は単独で存在するだけではなく、有機的につながっています。授業では、生徒が暗記している基礎知識を関連づけながら主体的に知的好奇心を向上させられるよう心がけています。
身近な不思議を科学的に捉える
理科の授業では、身の回りの事物・事象に対し抱いた疑問について、実験や観察を通して思索・思考することの愉しさを感じます。その過程で生徒のみなさんは地頭を鍛え、来たる大学入試問題に対応できる確かな学力を身につけます。
朝読書のススメ
前期教育期間(中学1・2年)では毎朝30分の読書を行っており、100冊の推奨図書を定めています。これらは「伝記」「自然科学」「社会科学」「人文科学」「読み物」の5つの分野から成り、多くの世界へ興味関心を拓きます。
プレゼンテーション能力の向上
社会生活の基礎となるコミュニケーション力を磨くために、本校では中学校課程でプレゼンテーションの機会を多く設定し、基礎学力の一つとして育んでいます。一人ひとりが主体的に考え、討論し、発表する活動を、タブレットやプレゼンテーションソフトの活用も含め、行っています。
ICTが促進するアクティブ・ラーニング
本校では校舎全体にWi-Fiを完備し、全ての教室やスペースで1人1台のタブレットを使用した活動を行うことができます。また、ICTを活かす学習サポートシステムの導入により、効果的なアクティブ・ラーニングの推進が可能になっています。
実践的な難関大入試演習
高校3年生で難関大学合格に必要な質と量ともに徹底した演習を行います。一人ひとりの合格に必要な課題を見つけ、志望大学合格へと導きます。
本校では中学校課程の3年間で39泊53日、高校課程の3年間で28泊37日の宿泊行事があります。さまざまな鍛練的・文化的・探究的行事を通して、生徒は多くの経験を積み上げていきます。主体的な姿勢が生まれ、友人と協働して困難を乗り越えることで大きな達成感を得ていきます。6年間での多くの共通体験は、絆をより深くし、共に高め合い支え合う関係性へと成長していきます。
中学校と高校の合同行事も中高一貫教育の強みです。学年を越えたつながりの中で、後輩は先輩の姿を通して自分の将来を見ることができ、また、先輩は後輩の模範としての自覚から、それぞれが大きく成長していきます。それぞれの経験をICT(タブレット等を用いた情報通信技術)を活用して記録に残していく(=キャリアパスポート)ことで、自己の成長を振り返ることを可能にし、大きな成果へとつなげていきます。
さまざまな体験学習を通して
感性や精神力、社会性を磨く
北海道・東北で最高峰の尾瀬・燧ヶ岳登山では、仲間と鼓舞し合いながら、自分自身の限界を超えて登頂することができました。臨海教室ではレスキュー訓練が行われ、人命救助と真剣に向き合いました。またスキー教室では、生涯楽しめるスポーツに親しみながら、公共の場でのマナーを守る大切さにも気づきました。こうした体験を通して、自然への興味・関心の高まりや仲間との絆の深まりなど、多くの学びを得ていると実感しています。
中学3年
本田 かれん
[福島市立瀬上小学校出身]
4
月5
月6
月7
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月9
月10
月11
月12
月1
月2
月3
月社会情勢によりスケジュールが変更になることがあります。
机上の学びだけでなく国内外の研修旅行や多彩な課外活動を通じて、社会課題に対する関心を深めグローバルな視野を広げることができます。多様な価値観を深く理解し一つではない多くの「答え」を見つけることで、課題解決の力を育み人として大きく成長していける活きた学びを推進しています。
幅広い教養を身に付けるとともに
広がった視野で社会課題を考える
福島成蹊では海外研修や体験学習など、授業以外で幅広い教養を身に付ける機会がたくさんあります。カナダでの姉妹校交流では、同世代の海外在住者と英語で積極的に会話でき、英語を学ぶ意義や自身の英語力の向上を実感しました。また校内にある茶室で茶道を習うことができ、日本文化の魅力や奥深さを学ぶことができました。こうした体験のおかげで視野が広がり、社会的な課題を見出して主体的に考える意識が高まりました。
高校1年
幕田 悠介
[桑折町立伊達崎小学校出身]
教育におけるリベラルアーツとは、「生きた、実践的な教養」を意味します。これまでの学力観では、正解を出せる人が評価されてきました。しかし現実の社会で起こっていることは、一つの正解を見いだすことが難しい問題ばかりです。グローバル社会の中では、民族も宗教も違う人たちが「自分の考えは正しい」と信じて争っています。そこでは「ひとつの正解」よりも「多様性の理解」がとても大切になり、そのためには自分のマインドで考え、自分のハートで感じ、自主的に判断し行動することが求められます。
リベラルアーツを咀嚼し、自分のものとして消化することで広い視野や独自の視点を獲得し、人生がより深く意義のあるものとなる、それこそが「生きる力」と言えるのではないでしょうか。
◆ 芸術・文化体験
作品に触れ、メッセージを汲み取る力=想像力を鍛えることで感性が磨かれていきます。大切なのは「本物」に触れることです。それを見て何を感じ、想像が広がるのか今まで知識として知っていたことが、経験とリンクし、単なる知識が知恵になっていきます。
◆ 茶道教育
国際社会においては異文化を理解することはもちろん、自国の文化を伝えていくことも大切です。本校では裏千家助教を講師に、敷地内の茶室「自蹊庵」にて6年間、茶道教育を実施し伝統文化継承の意識と礼儀作法を学びます。