福島地区中学生弁論大会 最優秀賞!

2018.07.18  

中高

7月14日㈯ 福島地区中学生弁論大会が行われ、本校中学2年の山村蓮くんが最優秀賞を受賞しました。

この大会は福島地区BBS会の主催で、法務省の「社会を明るくする運動」の一環として中学生の意見が明るい社会の建設に寄与することを期待して開催されています。本校では開校当初より毎年出場してきましたが、今回は初めての最優秀賞となりました。

山村くんは各中学校からの出場者6名のうち唯一の2年生でしたが、「繰り返さない。同じ失敗を。」の演題で防災についての意見を堂々と発表しました。山村くんは昨年12月に行われた校内弁論大会の最優秀賞受賞者です。したがって、この文章が書かれたのは昨年なのですが、折しも日本列島が災害に見舞われている今現在の発表となり、改めて大きな意味を持った主張になったように思います。山村くんは9月20日に白河文化交流館コミネスで開催される「少年の主張県大会」に福島地区代表として出場します。

 

「繰り返さない。同じ失敗を。」 山村蓮

『今、皆さんの周りで大きな災害が起きたらどのような行動をとりますか。もし、コンビニやスーパーから品物が無くなったら、生活していけますか。災害への備えは十分にできていますか。2013年にパナソニックが首都圏の人520人、関西圏の人520人、計1040人を対象に災害への備えについてアンケートを行いました。結果は、全体で70パーセントもの人が、災害への備えが不十分であると答えました。

昨年の夏、アメリカを襲ったハリケーンでは住民達がハリケーン接近前からスーパーに並び、食糧や水、生活必需品を買っていた姿が記憶に残っているかと思います。かたや、多くの災害を経験してきた日本人はどうでしょうか。台風が接近すると伝えられていても早めに何か備える訳でもなく、今日と同じように、スーパーに行けば物が買えると思っていないでしょうか。私は災害への危機感が日々薄れているように感じます。近年では政府や自治体でも「災害に備えましょう」と呼びかけてはいますが、効果はないように思います。実際に先程のアンケートでは2人に1人の人が防災意識が低下していると答えました。

ことわざの一つに「備えあれば憂いなし」というものがあります。私はこのことわざを日々胸に留めています。

2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。私の家の近くには大きなスーパーがあり、地震発生後に多くの人が食糧を求めて列を作っているところを私は見ました。私が母に「僕の家は買い物に行かなくて大丈夫なの。」と聞くと、「大丈夫だよ。」と言って、物置きだと思っていたところから大量の食糧を出してきました。母は阪神淡路大震災後から、大人10人が1か月ほど生活することができる食糧をストックしていました。そのおかげで私は震災直後も何不自由なく生活することができました。今でも母は「いつどこで何が起きてもいいように。」と言い、必ず月に1回、災害時に食べられる非常食や生活必需品を買いに行きます。買い出しの後は、賞味期限などをノートに記し、定期的にチェックします。賞味期限が近づいたものは休日に食べます。このような準備があるからこそ、日々安心して生活することができるのです。

だから私は、毎月11日を「防災について考える日」にする制度を作るのがよいと思います。この日は基本的に休日とし、お店で防災用品が安価で買えたり、自治体や町内会などで防災訓練をしたりします。この制度を取り入れれば、住民間でコミュニケーションをとる機会が増え、いざという時に住民どうしで協力、対応ができ、防災意識の向上につながると思います。この制度をまずは福島県から取り入れ、日本全国に広がっていけばよいと思います。

自然災害の多い国、日本。そんな国にいる私達だからこそ、生まれてくる知恵があるのではないでしょうか。七年前の大きな災害を乗り越えてきた私達から防災に対する意識を変えていき、同じ失敗を繰り返さないことが大切だと思います。』

 

 

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