福島成蹊中学校では、来年度の入学予定者に対して、入学前に3回のオリエンテーションを行っています。
本校は他の中学校とは大きく異なった「目標・目的」、また、それを実現させるための教育活動を行っています。それらを入学前に、児童・保護者の皆様にできる限り理解していただき、心構えや生活のあり方を本校に向けていただくことで、入学後にスムーズに学校生活をスタートさせることを目的としています。
第1回オリエンテーションは1月14日㈯に実施しました。メインは校長先生のお話です。それまでこの地域には存在しなかった学校・教育活動を、本校がどんな理念を持って立ち上げたのか。どのような人間育成を目標としているのか。そのためにどんな方針を持って、どんな活動をしているのか。そういった、学校の土台となる部分を校長が直接、お話ししました。
昨日、2月4日㈯に行った第2回オリエンテーションのメインは「授業」です。30分の授業を5時間、実施しました。
1時間目 算数
第1回で配付し、宿題としていた問題集「中1へのステップ」の中で分からなかった問題を聞き、解説しました。
2時間目 国語
第1回で範囲を予告していた「漢字テスト」を行いました。
3時間目 理科
「液体の性質を調べよう」をテーマに、食塩水、炭酸水、石灰水、塩酸の性質の違いを実験して調べました。
4時間目 社会
第1回で範囲を予告していた「日本の都道府県と各庁の所在地テスト」を行いました。
5時間目 英語
学習の基礎となる「アルファベットについて」と、英語の挨拶などについて学びました。
本校の学力観の基本には「学力は先天的なものではなく、努力によって決まる」ということがあります。今回、国語、社会では「テスト」を行いました。今後も含めて、本校の確認テストは原則的に、事前に範囲を予告します。内容は暗記が中心になりますので、テストの成績は現在の学力というよりも、努力の量に比例して決まります。そして、その結果が掲示されますので、生徒たちは頑張ったことが結果につながるということを実体験します。また、自分より成績のよい人がいれば自分の努力が足りなかったことに気付きますし、努力をサボればそれに見合った成績となります(掲示は上位者のみですが)ので、次回に向けてのモチベーションを高めるように導きます。
数学(算数)は学力差が開きやすい教科です。また、自分で考えなさいと言っても分からないときは何もできませんので、今回はできなかった問題を丁寧に解説するという授業でした。学力差が開きやすいということは、逆に言えば、正しく学習すれば成績は伸びるということにもなります。数学は本校においては大学入試のための大きな武器となっています。福島県トップ、東北トップを何度も取っている教科です。
理科は理科室で器具を使って行いました。「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」という新しい学力観において、「体験」「実習」はたいへん大きな意味を持ちます。大学入学共通テストでも、教科書理解だけでは解けず、実験の経験が必要とされる問題が増えています。
英語は「アルファベット」「挨拶」という、たいへん基礎的な内容でした。小学校のカリキュラムに「英語」が入りましたが、その扱いや内容は、まだまだ学校によってさまざまななようです。また「英会話」は小学生の習い事でも上位に入りますので、現時点の児童において英語力は大きく異なっています。本校ではそのいちばん下からスタートします。上位の生徒は最初は余裕がありますが、みんなぐんぐん成長しますので、その差は埋まってきます。そういった中から、前にもお伝えしたように、中学生で英検準1級を取得する生徒も生まれています。
新入生が授業を受けている間、保護者の皆様には、中学校生活においてご家庭にお願いしたい具体的な点について、ガイダンスを行いました。
第3回オリエンテーションは2月25日㈯です。児童のみの参加で、この日は全教科の「テスト」を行います。テストは、上記にもありましたように今後3週間の「努力」を試すことが目的です。「努力すれば成長する」、実に当たり前のことですが、それを体感・実感することが、福島成蹊中高一貫での学校生活の第1歩となります。