10月22日㈰、腰浜キャンパスにおいて中学校模擬入試をおこないました。
福島成蹊中校の入試には国語、算数、理科・社会、面接がありますが、模擬入試では国語と算数について、今年度の出題傾向をふまえて実施しました。
この地域には入試を行う中学校が本校を含めて数校ありますが、現実的には「中学校受験」という意識は強くはありません。
したがって、小学生が経験する「テスト」は、学校での確認テスト型が中心で、模擬試験のような実力型の試験を経験している児童は多くはありません。
本校の入試は、小学校で学ぶ基礎・基本から、首都圏の中学校入試をふまえた応用問題まで幅広く出題されます。これは、難易を取り混ぜることで、一人ひとりの学力の差異を明確にするためです。合格のためにどのくらいの学力が必要ですかという質問には、「小学校で習う基礎が身についていれば問題ありません」とお答えしています。
「新しい学力観」である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」は2014に答申され、現・学習指導要領で実践に移されています。それまでのスキル重視の学力観に加え、より深く考え、整理し、主体的に他者とともに学び、伝える姿勢が重視されています。実際の問題は下のPDFファイルをご参照ください。
模擬入試でも新学力観をふまえた問題を難問か出題することにしています。国語では漢字の知識を組み合わせて立体的に考える「複合型」の出題がありました。算数では普段の生活の中にある数学的思考を問う「実践型」の出題がありました。いずれにしてもドリル的なスキルに加え、複合的な発想が要求されます。
この日は、算数、国語の模擬入試の後、児童と保護者いっしょに解説を聞いていただきました。このような実力型の試験を受ける際に必要なことや、どのような力が必要なのかなど、短い時間ではありましたが解説をしました。
普段、このような問題を解き慣れていない児童にとっては難しかったと思います。しかし、例年、耳にするのは「この試験を受けてから学習に対する姿勢が変わった」という保護者の方々の言葉です。
全国学力テストの成績や諸々の検定試験の取得状況など、「福島県の学力」については様々な問題が指摘されています。情報化、グローバル化が進展する中で、国、地域の境界は消えつつあり、福島の子どもたちも全国規模、世界規模で生きていく時代が近づいていると実感します。本校もそのような「21世紀」に向け、地域に貢献できるように働きかけていきたいと考えています。