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福島フィールドワーク(特別進学コース)行いました

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福島フィールドワーク(特別進学コース)行いました

2022.10.17

高校

 10月15日㈯、高校特別進学コースで「福島フィールドワーク」を行い、高校1~3学年の生徒が参加しました。

 この行事の主な目的は、「福島の自然や農作物について体験的に学び、将来、県外に出た際に福島のことを自らの体験を通して語れるようになる」「風評被害などに対して福島の復興を担う人材となれるように、震災・原発事故について学び、正しい情報・知識を身につける」ことです。

 今年は次の3カ所で見学・研修しました。

①東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)
 東日本大震災と原子力災害の記憶の風化防止のため、未曽有の複合災害の教訓を、国や世代を越えて継承するとともに、復興に向けて進む福島県の姿と、国内外からの支援に対する感謝の思いを発信する情報拠点です

②とみおかアーカイブ・ミュージアム(富岡町)
 東日本大震災と原発災害で生じた複合災害により、地域で長い時間をかけて積み重ねられてきた日常が覚悟なく奪われた事実を生活者の目線から伝え、「あの日」を境に起きた町の変化を展示しています。

③特定廃棄物埋立情報館「リプルンふくしま」(富岡町)
 放射性物質に汚染されたごみの埋立処分についてわかりやすく学べる体験型の情報館です。特定廃棄物の埋立処分事業の概要や必要性、安全対策、進捗状況などについて「動かし」「さわり」「遊び」ながら、「知る」ことができます。

~生徒感想より~

▶福島県に住むものとして、今までテレビ等で見たことはあったが、実際に災害が酷かった街を見て、震災の酷さを実感できた。これから社会に出て、他県の人などに震災の話をもっと出来るように、これからももっと学びを深めていきたいと思った。

▶映像を通して当時の記憶が蘇り、ただ恐怖を感じたで終わってはいけないと思いました。当時見た地震の影響の全てがフラッシュバックし、心を痛めました。しかし、私の他にも、今でも震災で心が苦しんでいる人がいると思い、しっかり勉強をして、そんな人たちを支えられるような強い人になりたいと思いました。

▶僕たちの住んでいる福島での出来事ということで、自分たちも他人事では済まないことなどや、震災の被害によって立場をおわれた人やそれによって不吉な未来を迎えることになった人達などのことをもっと真剣に考える必要があると思いました。

▶今回の体験を通して震災の前からその後の取り組みまでを深く理解できた。話を聞くだけでなく実際の体験もできたのですごく有意義な時間だった。震災というと今までは津波や地震の被害の話が多かったけど震災が起きた後にはどんな取り組みが行われているのかを実際に見ることができたからすごく良い体験になったし、高校生のうちにこのような体験ができたことがとても良かった。

▶今回のフィールドワークがなければ、もしかしたら一生浜通りに足を踏み入れることは無かったかもしれないので、新鮮でとても有意義な時間だったと思います。学ぶことが多かったのはもちろんのこと、本物をそのまま展示してあるものや多くの写真を見ることで感じるものが多かったです。この機会を与えてくださった先生方や施設の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

▶震災を経験して11年が経った今、放射線や産業廃棄物の処理などの言葉をよく耳にするうちにどこか当たり前に感じているものがありました。しかし、今回のフィールドワークを通して同じ福島に住んでいても、全く別の境遇に置かれた方の存在や着実に進んでいる復興を目にすることができました。福島に生まれ、震災を経験した以上、この経験を後世に伝えていく義務があると思うので、しっかりと語れるような大人になりたいと思いました

▶以前、相馬市を訪れたり、常磐自動車道を通ったときに流すように街を見たことがありました。その時は街に新しい建物が建ち、車も通っていて、復興がほとんど終わっているように見えました。 しかし今回のフィールドワークでその考えが変わりました。下の道を通ると確かに新しい建物も見えますが、少し行くと朽ちた瓦礫の山と化した建物、帰還困難区域のバリケード等等、いまだ復興途上にある現実が見えてきました。

▶展示物の中でとても印象的だったのは、黒板に「みんなの卒業を見送ることができなくて残念です。元気でいてください。」と先生の言葉が書かれていたことです。本来なら一緒に過ごすことができた家族、友達、先生といきなり別れることになってしまう。いつもう一度会えるのかも分からない。私だったら、心の整理がきっとできないと思います。私が普通に過ごしている間に、こんなにも辛い思いをしていた人が大勢いたと思うと、本当に心苦しかったです。