情報技術や交通の飛躍的発達によりグローバル化の進展はとどまることはありません。ボーダーレス化しつつある世界の中で、現在の子どもたちのほとんどは異文化の人々と自然にコミュニケーションをとり、共に働いたりすることでしょう。本校では国際理解教育を推進し、グローバル社会で活躍するための基礎作りを行っています。もちろん語学力も大切ですが、それ以前に人として異文化を理解する心や柔軟に考える力が必要だと考えます。
東京女子医科大学
国際環境/熱帯医学講座
教授・講座主任
杉下智彦先生
「アフリカから考える
持続可能な開発目標(SDGs)」
リングイスト語学スクール代表
福島学院大学英語講師
伊藤 オディ先生
「日本人をやめ英語人へ」
NPO法人
「ルワンダの教育を考える会」理事長
永遠瑠(トワリ) マリールイズ先生
カナダ(ビクトリア、バンクーバー)
英語でのプレゼンテーション、日本文化体験交流、一人1家庭のホームステイ など
カンボジア(シェムリアップ)・ベトナム(ホーチミン)
ベトナムからの留学生との交流(事前学習)、小学校訪問、日本文化体験交流 など
全員が実用英語技能検定を受験し中学校課程での準2級取得を目標にしています。中学生でも準1級を取得する生徒も出ています。
教育におけるリベラルアーツとは、「生きた、実践的な教養」を意味します。これまでの学力観では、正解を出せる人が評価されてきました。しかし現実の社会で起こっていることは、一つの正解を見いだすことが難しい問題ばかりです。グローバル社会の中では、民族も宗教も違う人たちが「自分の考えは正しい」と信じて争っています。そこでは「ひとつの正解」よりも「多様性の理解」がとても大切になり、そのためには自分のマインドで考え、自分のハートで感じ、自主的に判断し行動することが求められます。
リベラルアーツを咀嚼し、自分のものとして消化することで広い視野や独自の視点を獲得し、人生がより深く意義のあるものとなる、それこそが「生きる力」と言えるのではないでしょうか。
◆ 芸術・文化体験
作品に触れ、メッセージを汲み取る力=想像力を鍛えることで感性が磨かれていきます。大切なのは「本物」に触れることです。それを見て何を感じ、想像が広がるのか今まで知識として知っていたことが、経験とリンクし、単なる知識が知恵になっていきます。
◆ 茶道教育
国際社会においては異文化を理解することはもちろん、自国の文化を伝えていくことも大切です。本校では裏千家助教を講師に、敷地内の茶室「自蹊庵」にて6年間、茶道教育を実施し伝統文化継承の意識と礼儀作法を学びます。
伝統文化「茶道」の魅力を世界中の人に伝えたい
福島成蹊で茶道に触れ、お茶を点てる所作の一つひとつには意味があること、お客様に敬意を込めてさりげなく行う気配りがあることなどを知りました。その「おもてなし」の心を、異なる文化や価値観の方々に向けて自分の言葉で伝えたいと思うようになり、語学力の向上に力を入れるようになりました。「和敬清寂」に示される茶道の心得や礼儀作法を学び、伝統文化を継承していくことが魅力であることを、世界中の方々へ伝えられたら幸せだと思います。
中学3年
栗木 花野
[郡山市立富田小学校出身]
カナダ研修旅行は中学校生活の総決算です。日本人の代表・小さな外交官としての「感性・品性」、様々なことに興味を持ち自主的に学ぶ「知的好奇心」、1人1家庭のホームステイができる「社会性」、英語で意思疎通ができる「語学力」、学校交流で日本文化を伝える「文化継承者としての意識」…その他、この3年間で学んだことを全て発揮する9日間となります。
順調に成田まで来て、みんな体調も良く元気いっぱいです。これより搭乗します。バンクーバーを経由してビクトリアまで長旅ですが、みんなワクワクしているようです。成田空港では初の「自動チェックイン」。バンクーバー空港では初の「飛行機の乗り継ぎ」。ビクトリアからのシャトルバスは公共交通機関にもかかわらず、成蹊中で貸し切り状態でダウンタウンまで。ビーコンヒルでは、テリーフォックスと新渡戸稲造の石碑を見学、その後市営バスで、本拠地まで帰ってきました。
日本からカナダへの移動は17時間の時差を戻る形になりますので、25日の18:40に成田を出発し、約9時間のフライトを経ても、バンクーバー空港への到着は25日の朝10:05です。日付変更線を跨いで2日分の活動をした「長い1日目」でした。生徒たちは全員がホストファミリーと対面し、ワクワク感と緊張と旅の移動疲れが入り混じった表情をしながら、各家庭へと移動していきました。
「ESL」とは「第二外国語としての英語:English as a Second Language」のことで、現地の専門の先生から実践的な英語の活用について、楽しく学びます。自己紹介後、カナダのお金について学習しました。コインやお札の特殊な呼び方も教えていただき、生徒たちはうれしそうです。その後は、明日の学校交流で実施するプレゼンテーションのリハーサルを行いました。日本より声が出ていた気がします。
ランチ後は、市内散策です。天気は快晴。BC議事堂では、英語によるツアーに参加しました。この日はちょうど議会が開催されていたのですが、議事堂の前には抗議の座り込みをしている団体もいて、ツアーの最後には「どういった抗議なのか?」とガイドさんに質問している生徒もいました。その後、BC博物館や金曜日の自主研修で訪れるであろう場所の行き方を確認しながら本部へと戻ってきました。
最後のプログラムは「Fネーション・アート」です。まず、市内のあちらこちらにある「トーテムポール」を見て回り、(また歩きです。いやフィールドワークです。でも強歩をやっている生徒たちはたくましいです。へっちゃらです)トーテムポールに表現されている生き物について学びました。ビーバー、イーグル、サーモン、レイブンなど、それぞれの生き物にはそれぞれ象徴する事柄がありました。その後は、その生き物の中から1つ気になるものを描くという作業を実施。完成は、ビクトリア最終日を予定しています。
本校の海外研修旅行では、必ず、地元の学校との交流プログラムがあります。将来、必ず、他国・異文化の方々と共に生きることになる世代の生徒たちにとって、今、同年代の仲間たちがどのようなことを考え、どのような生活をしているかを知ることはとても大きな意味があると思います。また、学校茶道などの経験を生かし、日本文化を体験してもらい、日本への理解・興味関心を高めてもらうことも大切なことと考えています。生徒たちは半年以上の時間をかけて、英語プレゼンテーションや文化交流の準備をしてきました。
St. Andew's Regional H.Sとの交流は生徒たちが待ちに待った日で、朝から気分が高揚している感じが見て取れます。体調不良者もゼロ。ホームステイ先で本当によくしていただいています。学校交流はSt. Andew's 合唱部の澄んだ歌声から始まりました。生徒たちは感激していました。午前中はバデイと一緒に授業を受けたり、インドアホッケーを楽しんだりした後、英語のプレゼンテーションを披露しました。例年よりも1グループの発表時間を長く設定して「楽しませる」ことをサブテーマにして臨んだのですが、オーディエンスの反応からその目標は達成できました。発表後は時間ギリギリまで質問対応もしました。
午後からは文化交流の時間です。1.2年生の時から様々な国、文化の方々との交流事業を体験している9期生にとって「交流の時間」はもはや得意分野です。その後、ESLの授業を受けるという少しタイトなスケジュールでしたが、生徒からは充実した表情が見られます。
本日は午前中にESLの最終授業を行い、午後の自主研修に向けて、道の聞き方やホストファミリー宛てのTHANK YOUカードの作成などを行いました。最後に、どのグループが綴り(スペリング)が長い単語を作れるのかといった英語ゲームをみんなで楽しみました。
午後は、ガイドも引率者もいない状態でVictoria市内を散策する自主研修です。バスに乗って少し遠くの名所を巡った班、買い物を存分に楽しんだ班、食べ物こそが旅の醍醐味でしょ、といわんばかりに食べることを満喫した班など、各班それぞれが充実した時間を過ごすことができました。この4日間は天候に恵まれていましたが、自主研修終了1時間前くらいから雨が・・・。ただどの班もその時間には大方の予定が終わっており、集合場所にも問題なくたどり着くことができました。
夕方からは、フェアウェルパーティーです。お世話になっているホストファミリーを、感謝の気持ちを込めておもてなししました。最後の「わらじ音頭」はここでも大盛り上がり。みんな大活躍です。
明日明後日は週末(土曜・日曜)です。生徒たちは集合せずに、終日、ホストファミリーと過ごします。それぞれ研修旅行開始前に、ホストファミリーとメールで、自分の好き嫌いや、やりたいことなどについて連絡を交換しています。日本には「曖昧」「謙遜」「遠慮」などを美徳とする文化がありますが、それが他国・異文化で通用するとは限りません。生徒たちには自分の考えをはっきり伝えるように指導はしていますが、果たして…?そういったことを経験として実感するのもこの研修の大きな意味だと思います。ちらっと聞いたところによると、大きなショッピングモールに行ったり、ブッチャードガーデンに行く予定の家族がちらほら。たくさんコミニュケーションをとり、文化の違いを楽しみながら元気よく過ごしてほしいと思います。Have a nice weekend!
月曜の早朝、ホストファミリーと涙のお別れをし、バンクーバーへ移動しました。来るときは飛行機でしたが、帰りはバンクーバー島から北米大陸までフェリーで移動します。この日のメインは「ロンズデイル・キー・マーケット」です。バンクーバーからシー・バス(文字通りバス代わりに使われている船です)でバンクーバー港の対岸に位置するここは、お土産屋、クラフトショップ、フードショップなど80点以上が軒を連ねるショッピングモールです。現地の方々も食品や生活用品を買いに来ます。
夕飯はバンクーバーで中華料理です。「カナダの最後は中華料理」というのが本校のお約束になっていますが、これは、当初、高校での研修旅行を中国としており、そこにつなげるという意味がありました。世界の国・文化は数多くあります。その中で、せめて、西洋だけでなく東洋にも目を向けたい(現在、隣国との関係が重要となっていることは言うまでもありません)という考えから、歴史・文化を学べる国ということで、中高一貫創設時の計画は、高校2年では「中国文化研修」を予定し、プログラムもほぼかたまっていました。しかし、その後、国家間の関係が変化し、現在はカンボジア・ベトナムを訪れています。いずれは中国研修も何とか実施したいと願っています。それはともかく、夕食では1週間ぶりの「ごはん」が食べられます。これがものすごくおいしいんです!
最後の研修地はブリティッシュコロンビア州立大学(略称UBC)です。4人のカナダ首相、7人のノーベル賞受賞者を輩出しており、カナダ国内でも屈指、イギリスTimes Higher Educationによる世界大学ランキング2020では34位(ちなみに、東京大学は36位)となっています。ここに、新渡戸記念庭園があります。ここがカナダとは信じられないほどの本格的で美しい日本庭園となっています。
最終日は17時間の時差を戻るため、長い1日目のツケを精算し、短い9日目となります。バンクーバー空港を出発し、成田空港へ。そして貸し切りバスで本校に到着したのは深夜23時でした。生徒たちの表情には、疲れもありましたが、それよりも家族に会えた安心感、そして、研修旅行を終えた充実感が感じられました。迎えに来ていただいた、保護者の皆様、準備やさまざまなご負担も含め、たいへんありがとうございました。15歳で世界を見た経験は、これからの生き方に大きな影響を与えてくれることと思います。
初日は前泊のための移動です。水戸で昼食をとってサイエンススクエア筑波を見学。その後成田山新勝寺で合格祈願をして、成田に移動しました。少し肌寒い日本から、明日、暑いカンボジアに出発です。
スムーズに搭乗手続きを終え、ホーチミン行きの便に乗りました。しかし、成田上空の天候が悪く、飛行機の中で1時間30分以上足止めとなりました。が、生徒はいたって冷静で、映画を見たり、ゆっくり休んだりしていました。無事にシェムリアップまでたどり着き、現地で活躍するメアス博子さんの話を聞きました。
午前中はエンコセイ小学校で交流を行いました。おはじき、折り紙、縄跳び…パワーと人数に圧倒されながらも一緒に楽しい時間を過ごしました。午後はアンコールワットです。息を飲む光景でした。
最初にアンコールトムに行きました。アンコールトムは大きい街の意味。カンボジアはお祭りなのでにぎやかです。天気は例年より涼しく過ごしやすいです。午後は戦争博物館を見学して、オールドマーケットでお買い物をして、夜の便でベトナムホーチミンに移動です。生徒は疲れもあるようですが、短い移動でも睡眠をとり、しっかり食事をして頑張っています。頼もしいです。
午前中はベトナム戦争跡地のクチトンネルを訪れました。ゲリラ戦で使用した地下の要塞を体験しました。午後は昼食後、メコン川クルーズでした。
今日はあいにくの雨。午前中はマリキュリー高校との交流です。私達は日本文化、福島について、成蹊高校について英語でプレゼンをしました。そのあと、よさこいを踊ったあとお茶を含めた文化交流をしました。昼は交流したマリキュリーの生徒さんとショッピングモールの中でランチです。B&Sを楽しみました。良い交流になりました。マリキュリー高校の皆様、ありがとうございました。午後はベトナム市内の観光です。戦争博物館、教会、郵便局、市場などベトナムを肌で感じました。夕食後、展望台に上がってベトナムの夜景を見ました。
楽しかった研修も終わりです。夜中の飛行機で日本に帰ります。
全員、無事に帰ってきました!
~生徒の感想~