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秋季学習合宿(中高一貫コース)

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秋季学習合宿(中高一貫コース)

2020.09.24

中高

 令和2年9月9日㈬~12日㈯、岩手県の国立岩手山青少年交流の家で、中高一貫コースの全学年が秋季学習合宿をおこないました。

 通常は3月に春季合宿(新中学2年~新高校3年)、4月にオリエンテーション合宿(中学1年)、8月に夏季合宿(全学年)を行っていますが、今年度はすべて中止となってしまいましたので、急遽、秋季学習合宿を行いました。

 早朝のテスト、午前・午後の授業、夜間の自習と、1日の学習時間は10時間を越えます。休憩時間もほとんどの生徒は自学自習を行っています。

 学習合宿の目的の一つはもちろん「学力向上」ですが、実はそれよりも重要な目的があります。それは学習に対する姿勢・心構えを作ることです。

 10時間あまりの学習を1人でやろうとしたら、辛いと思います。しかし、合宿では難なくできてしまいます。多くの生徒は「もっとやりたい」とさえ言います。その理由は「環境」です。まわりの仲間が一生懸命に勉強している環境では、自分もそうするのが当たり前と感じるからです。たとえば、夜間の自習は学年をシャッフルした座席になっています。中学生と高校生が肩を並べて自習をします。言葉を交わすことはなくとも、後輩は先輩が学習に取り組む姿勢から多くのことを学びますし、先輩は隣に後輩がいますから手を抜くわけにはいきません。一人ひとりが他者に対する環境になっており、一人ではできないことでも環境である他者の力を借りることで達成することができます。

 夕方には全体集会が行われ、早朝のテストの成績が発表されます。満点者、上位者は氏名が呼ばれ、拍手をもらいます。本校では、学力は先天的なものではなく、努力によって高められると考えており、また、努力は賞賛されるべきと考えているからです。何回も呼ばれる生徒もいますし、そうでない生徒もいます。ここで、一人ひとりが自分の努力がどうであったのか真剣に向き合うことになり、次回への気持ちを高めます。

 テストには学年をまたいだ「共通テスト」もあります。当然、上の学年の方が成績が良いと思いがちですが、下の学年が学習したばかりの単元だったりすると、上の学年はかなり過去に学んでいるわけですから、復習を怠っていれば逆転も起こり得ます。また、英単語など多く覚えなければならない分野は、理解力というよりはどのくらい時間をかけて努力したかで力が決まりますので、学年の差よりも努力の差が出やすいテストです。ですから、共通テストでは、後輩は下克上をねらって努力していきますし、先輩は後輩に負けるわけにはいかないのでさらに努力します。ここにもお互いに高め合う環境があります。

 日常の生活の中では自分の限界を超える経験をすることはなかなかできません。しかし、学習合宿では意図的に学習以外の要素を排除して「非日常」をつくり、その環境の中で、一人ひとりが自分の限界を超える経験をします。10時間あまりの学習ができた自信、先輩・後輩・仲間からの刺激、努力が評価された喜び、うまくいかなかった悔しさ、それらが生徒の心を大きく成長させます。そして、合宿が終われば、その成長した心で日常生活がスタートしますので、日常はそれまでとは大きく変わったものになります。

 つらさから逃げずに目の前のことに真摯に取り組む姿勢、努力が成果につながった自信、成果が評価された喜び・・・これらは大学受験だけでなく、その先も含めた「生き方」を充実させるために役立ってくれるものと考えています。

本校YouTubeチャンネルに動画があります→こちら