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国際理解講演会

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国際理解講演会

2022.06.25

学園

 6月24日㈭に国際理解講演会を行いました。

 本校の教育目標の一つに「これからのグローバル社会において、多様な文化を理解し、課題解決に向けて果敢にチャレンジする心を育みます。」があります。この講演会はその一環として、国際的に活動されている方をお招きすることで、生徒たちが国際的な状況や問題への理解を深めることを目的としています。

 今回の講師はNPO法人「ルワンダの教育を考える会」理事長の永遠瑠(トワリ)マリールイーズさんです。

 ルワンダで生まれた永遠瑠マリールイーズさんは1993年に青年海外協力隊カウンターパートナーとして福島で洋裁の研修を受けました。しかし翌年、ルワンダに帰国後に内戦が勃発し、難民となってしまいました。研修時代の友人の尽力で家族そろっての再来日を果たし、「ルワンダの教育を考える会」を立ち上げ、2001年にはルワンダでの学校設立も実現させました。2013年に日本に帰化し、現在は「命の尊さ」「教育の大切さ」を訴える講演活動で全国を駆け回っていらっしゃいます。

 今回も感染症拡大防止のため、3学年のみが体育館に入り、他の学年、腰浜キャンパスはリモートで聴講しました。

 今回の講演は、ルワンダという国のすばらしさからスタートしました。しかし、内戦が起こったことでまったく違った世界になってしまったこと、明日の生死も分からない中、必死で難民キャンプで生き抜いたことを話されました。ルワンダの子どもに「大きくなったら何になりたい?」と尋ねたら「僕たちが大人になるまで生きてると思う?」と聞き返されたそうです。子どもたちが生きる希望を取り戻し、未来を切り開くのは「教育」の力であると話され、私たちに対しても「自分たちの『当たり前』が世界の『当たり前』だと思わないでほしい]
と語りかけられました。

【生徒感想より】
▶改めて「命の尊さ、学ぶことの大切さ」について考えさせられました。自分の当たり前に溶け込んでしまい、大切さを実感できなくなっていることはまだまだあると思うので、視野を広げていきたいと思いました。
▶思い出したくない辛い経験を話してくださったマリールイーズさんには感謝しかありません。毎日3食を食べ、登校し、勉強、部活をし、家に帰るということが当たり前ではない国がたくさんあることを知ることができました。
▶マリールイーズさんは日本でのホームステイ中に学んだ日本語を使って日本にSOSを送って生き延びることができたとおっしゃっていました。学んだことはいつか役に立つ、無駄なことはないことを頭に置いてこれからの学校生活を送っていきたいです。

 現在、「平和」は世界共通のテーマとなりつつあり、生徒たちも学ぶこと、考えることが多くあったようです。「自分に何ができるのか」という感想も多く見られました。「どこかの世界」の話ではなく、自分が生きている世界の問題という意識を持てたことは大きな意味があったように思います。