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尾瀬・燧ケ岳登山(中学1年生)

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尾瀬・燧ケ岳登山(中学1年生)

2023.10.01

中高

 9月20日㈬~22日㈮に中学1年生が尾瀬・燧ヶ岳登山を行いました。

 燧ケ岳登山をメインに、尾瀬の自然について体験的に学び、事前学習から事後報告会までを行います。中学1年生の中心的行事であると同時に、自然との共生を軸にすえた本校の代表的行事とも言えます。

【第1日】

 8時に学校を出発。県内ながら、尾瀬の入り口「御池」到着までは4時間かかります。

 御池から先は一般車両は入ることができません。自然保護のため、排気ガスの出ない電気バスに乗り換えます。バスからは日本でも残り少ない原生林(人間の手の入っていない森林)を見ることができます。生徒たちもこれから自然に入っていくことの意味を感じ、意識が高まります。

 バスは「沼山」に到着。いよいよここからは自分の足で尾瀬に向かいます。ガイドの方々と一緒に、いざ、出発!途中、さまざまな植物や動物、運がいいとオコジョが見られたりするのですが、今回は残念ながら出会うことはできませんでした。

 およそ1時間30分で尾瀬の象徴「長蔵小屋」に到着。途中で、命を懸けて尾瀬を守ってきた平野長蔵さん、長英さん、長靖さんのお墓にお参りをしました。

 天候に不安がありましたが、何とか曇り空をキープ。夕食を終え、お風呂に入りました。自然保護のためシャンプーは使用できません(せっけんは感染症対応のため使用可能になりました)。他にも、トイレットペーパーは流さず箱に捨てるとか、ペットボトルのジュースも運搬費がかかるため、1本500円するなど、普段の生活がいかに恵まれているか、また、自然を守ることの大変さを実感します。

 気温は「東京マイナス10℃」と言われますが、この日は15℃くらい。寒さ対策は万全でしたので、生徒全員元気です。

 明日は、北海道・東北地方最高峰の燧ヶ岳にアタック!天気に恵まれますように!!!


【第2日】 

 朝は小雨が降り、やや肌寒い感じ。朝食後、長蔵小屋特製おにぎり弁当を準備していただき、雨具もしっかり準備をして、長蔵小屋を後にしました。

 しばらく歩くと、沼尻休憩所に到着。トイレ休憩も兼ねて、休んでいると、長蔵小屋のスタッフさんが現れ、なんと、平野長蔵さんの紙芝居を見せてくださいました。

 モチベーションが高まったところで、いざナデッ窪へ!

 ナデッ窪は、燧ヶ岳の中でも、かなり傾斜がキツい「急登」ルートです。昨日から降り続いた雨でぬかるんでいたり、岩が滑りやすくなっていたりと、条件は厳しかったですが、何とか全員でナデッ窪を登りきることができました!

 このまま、山頂へ行くぞ!と勢いよく登っていったのですが、なんと山頂付近は猛烈な風!立っているのがやっとなほどでした。あとほんのもう少しというところ、9.5合目で登頂を断念しました。命があれば、またいつか再チャレンジできる!と言い聞かせて、泣く泣く下山してきました。しかし、これは尾瀬との新たな絆であるように思います。15期生は忘れ物を取りにいつかまた戻ってくるのではないでしょうか。

 全員揃って長蔵小屋に戻り、冷えた身体をお風呂と美味しい夕食で温めました。夜には、恒例の長蔵小屋スタッフの小林さんによる、ミニプラネタリウムショーを楽しみました。


【第3日】

 最終日は、長蔵小屋周辺での自然散策や、ビジターセンターの見学をおこないました。

 自然散策では、今度こそ、尾瀬のマスコットキャラクター的な存在の「オコジョ」を見つけようと必死に探し回りましたが、残念ながら遭遇できませんでした。

 ビジターセンターの見学では、さまざまな展示物を熱心に見学したり、職員の方に質問をしたりなど、事後発表会に向けての情報収集に取り組んでいました。

 その後、お世話になった長蔵小屋の方々にお礼のご挨拶をしました。長蔵小屋の小林さんからは、悪天候の中、9合目までよくがんばったこと。遠くから見た燧ヶ岳と実際に登った燧ヶ岳、今ではどんな印象になったかということ。近くで見るととても大きな物でも、視点を変えるとちっぽけに見えること。などなど、大変ありがたいお話をいただきました。きっと生徒たちは、今回の自分の体験と繋ぎ合わせて考えることができたと思います。

 林間教室に引き続き、尾瀬でも天気に恵まれずに大変な状況でした。しかし、成蹊中の生徒たちは、その状況下でも下を向くことなく、全力で満喫することができました。

 15期生の学校生活は始まったばかりです。苦しいこと、楽しいこと、心が折れそうになること、それを乗り越えたこと・・・すべてが今しか経験できないことです。その一つ一つが生徒一人ひとりの明るい未来に繋がっていくことを心から願っています。